晩秋の氷ノ山(1999.11.21)
半年振りの氷ノ山
里では紅葉の真っ盛りのこの日,半年振りに氷ノ山を訪れました。いつものように,MTBをお供に山歩きです。コースもいつものとおり,坂の谷コースです。ただ今回は総勢10人という,山歩きにしては大勢の部類に入る人数です。名古屋や京都からの参加者もあり,にぎやかです。しかも,この日の天候は快晴。兵庫県北部も昼からは快晴ということで,大いに期待がもてます。
いつものようにやまめ茶屋から林道に入り,坂の谷コース登山口(P)で駐車です。付近には他の車は見当たりません。やはり紅葉の時期が過ぎてしまったので,登山者が少ないのでしょう。しかし,MTBに乗る我々にとっては好都合です。登山口からの植林帯はいつものように押しの一手です。あ〜シンドイ。でも,このシンドさがあるから下りの快感があるのだ!
ブナの落葉と初雪
植林帯を抜けると,ブナの林に入ります。やはりブナは葉を落とし,枝だけになっています。でも,その落ち葉が登山道を覆い,カサカサという足音がします。ブナの紅葉は見ることができませんが,気持ちのいい登山道をあることができました。ブナの林に根曲がり竹が混じるようになると,道の端に雪が見え始めました。数日前に降った初雪のなごりでしょう。今シーズン,初めて見る雪です。なんだかうれしくなってしまいました。上空には次第に青空が広がってきました。
殿下コースの分岐を過ぎると,2mほどの根曲がり竹の草原を登ります。左右の見通しはありませんが,振り返ると,藤無山をはじめ,播但国境の山々が見えます。「見返りの丘」で小休止。残念ながら,この日はカスミがかかってきれいには見えませんでしたが,それでも正面に,藤無山,その左奥には須留ヶ峰,手前に杉ヶ沢高原,右手には三室山が望めました。いつもの景色ですが,いつ見ても素晴らしいものです。
どっちが三の丸?
根曲がり竹の草原が切れると,そこは三の丸避難小屋(A)です。地図では,ここが二の丸となっており,この南に三の丸(B)があることになっています。しかも,三の丸避難小屋の先には三の丸展望台があります。ということは,二の丸に「三の丸避難小屋」があり,「三の丸展望台」があることになります。なんのこっちゃ?まさか,「三の丸が見える避難小屋」とか「三の丸が展望できる台」というわけではないだろうし。地名というのは難解です。
「三の丸展望台」からは,久しぶりの氷ノ山がきれいに見えます。前回の5月は霧ではっきりとは見えませんでしたし,4月の氷ノ山は白銀の世界でした。ということは,緑の氷ノ山は1年ぶりということになります。広々として頂上直下の笹原,右手にユッタリと流れる東尾根。左手には扇ノ山,陣鉢山,そしてアノ「青が丸」も見えます。振り返って南を見ると,三室山をはじめとする千種の山々,藤無山をはじめとする播但の山々。ああ〜,いいものです。
ここは氷ノ山頂上に次ぐ素晴らしい展望台だ。しかも頂上では望めない眺望を持っている。それは広く果てしない展望も去ることながら,氷ノ山主峰の南面の,優雅で壮大な山容が近くまともに眺められるというということだ。スズタケのうすみどりにかがやく衣装をまとった頂上から,広くなめらかに,長く長く流れる東尾根の美しいスロープ。その魅力的な姿はいつまでも見飽きない。さすがに私のこよなく愛慕する兵庫の王者の,悠揚迫らざる大器の貫禄を誇らかに示している。
『兵庫の山やま 総集編』多田繁次
すぐ近くに見える山頂ですが,二の丸?三の丸展望台からはいくつかの小さいピークを越さなければ行けません。いつもはこの小刻みなアップダウンも楽しみの一つですが,この火は様子が少し違っています。先日の積雪の影響で,道がかなりぬかるんでいるのです。ドロドロの黒い道を,ズルズルと進みます。ここでこければ悲惨です。足元を気にしながら,しかも自転車も気にしながら,そ〜とそ〜っと。いつもの湿地帯(C)は,今まで以上にぬかるんでいますが,残雪もたくさんあります。
いよいよ湯豆腐
ようやく湿地帯を抜け,最後のピークを下り終えると,後は頂上直下の激上りです。ここだけは,MTBを担がなければいけません。最後の力を振り絞って,ヨタヨタ。ところが,この道もぬかるんでいて,足元が滑ります。歩きにくいったらありゃしない。山頂小屋が見えると,2時間ほどの上りは終わります。山頂には数組の登山グループがいます。避難小屋の中にも数組の登山グループがいます。思っていたよりも少ない人数なので,一安心。しかも,避難小屋の2階は誰もいません。ラッキー!
2階に着くと,早速湯を沸かし,湯豆腐の用意です。昆布だしは水から出して,沸騰したら豆腐を入れる。しばらくして,お玉で切り取り,タレにつけて食べる。♪アッチッチ〜アチ♭,う〜ん,うまいんだな!これが。遠慮は禁物。そんなことをしてたら,いつまでたっても湯豆腐にはありつけません。意思表示はハッキリと。そして,食後はいつものコーヒーです。ああ,幸せ〜!こんな山の上で,アツアツの湯豆腐を食し,コーヒーをいただき,満腹です。あとは待望のダウンヒルです。
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小屋の外に出て,記念撮影大会です。それぞれ持参のカメラに向かって,ハイ ポーズ!MTBの用意をしていると,3人組のおじさんたちが話しかけてきました。なんでも以前にも同じようにMTBで登ってきたグル〜プがあったとか。よく聞けば,それは我々のことやがな。奇遇です。春以来の再会です。おじさんたちは,2手に分かれて下山するとのこと。別れを告げ,我々も下山です。
転倒,転倒
下り始めると,なぜか転倒。何でこんなところでこけるねん!頂上直下の登山道を下り切った所で,またもや転倒。何でこうなるの!?見るとリアブレーキのワイヤーが外れています。道理で前ブレーキしか利かへんと思った。今までわからんかったんかぁ〜!?という声も。下山といっても,三の丸展望台までは小さなアップダウンが繰り返す尾根道です。来た時と同様,ヌルヌル道で苦戦。なんとか切り抜け,ようやく待望の三の丸展望台へ。ここからは下りオンリーです。
滑りやすい道を慎重にダウン。やはりこれがあるから,MTBはやめられまへん。氷ノ山はやめられまへん。快感のダウンヒルです。岩あり,段差あり,木の根あり,倒木あり。刻々と変化する路面が楽しいです。もちろん,ブナの落ち葉の道も快適です。頭上を見上げると,ブナの白い枝が青空をおおっています。見事なコントラストです。途中で,またもや撮影会。ドロップオフの瞬間を狙います。何回も取り直しのあげく,やっと成功。やれやれ。後はまた,下りを楽しむのみです。ブナ林を抜けると,植林帯に入り,楽しかったダウンヒルも終わりに近づいてきました。植林帯の細い登山道をユックリ下り,車へ。
やっぱり氷ノ山が好き
全員無事下山。1時間ほどの変化に富んだ下りを楽しんだ満足感で一杯です。氷ノ山の登山コースはいくつかありますが,坂の谷コースはなだらかですが距離があり,歩きの登山者は少ない方です。でも,MTBの我々にとっては,それが好条件となり,氷ノ山登山の定番コースとなっています。いつも同じコースなので,たまには違うコースを行ってみようかなぁとも思うのですが,三の丸からの展望の魅力もあり,結局は毎度のコースに落ち着いてしまいます。今度は3月にスノーハイキングです。スノーボート,スノーボード,スキー,MTBなどなど,自分の好きな用具を持って登り,それで下る。白銀の氷ノ山は,それはそれで魅力一杯です。今から楽しみです。