風薫る園部町船岡鉱山(2000.5.13)
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風薫る5月
山に新緑が目立つ今日この頃,さわやかな5月の風を感じながら,思いっきりハンマーを振り回してきました。場所は京都府園部町船岡鉱山。ターゲットは,重晶石,孔雀石,珪孔雀石などで,初生鉱物は少なく,二次鉱物がメインだそうです。
10時過ぎにJR船岡駅に集合。参加費を払い,資料をもらいます。いつものことながら,この会を世話してくださる藤原さんはじめ会館の関係者にみなさんには,感謝,感謝です。今回も,地図はもちろん,船岡鉱山で採集できる鉱物とその解説ものっています。
船岡鉱山は,明治末期から大正初期にわたって採掘され,銅・亜鉛を産出していたそうです。そしてそれらの抗口は,現在でも見ることができます。また当時は山では,小規模な精錬も行っていたようです。
船岡鉱山
船岡駅から約2km。大和谷とよばれる谷を登ったところに船岡鉱山があります。地図を見ると,破線の道の終点には神社の印があります。ということは,この神社は,鉱山の安全祈願ということになるのでしょうか。船岡の集落を抜け,林道を進みます。大和谷に入ったところで,林道は終点です。ここからはシングルトラック(ST)です。林道の終点では,車でやってきた人と合流。ここで,本日の研修会のお話です。船岡鉱山の鉱床のでき方とか採集可能な鉱物の説明です。なんだか難しい言葉と意味不明な用語のために,理解不能。「見つかった鉱物から,この鉱床のでき方を想像するのも楽しいかもしれません」ということですが,基礎学力がないので,想像する手がかりすらありません。困ったものです。
日本語でありながら,意味のわからない解説を聞いた後,いよいよ鉱物採集の始まりです。手に手にハンマーを持ち,みんなやる気満々です。さっそく小川に入って,「カーン!」その音をまるでスタートの合図かのように,あちこちで「カーン!」「カキーン!」「カチン!」「ゴン!」静かだった谷間にハンマーの音が響きわたります。長靴の人は,小川の中に入って採集しています。
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孔雀石
赤い石がジャスパー。もっと鮮やかな赤だと,磨いて飾り物にできるそうですが,これはダメ。その赤い石の中に白い石英脈の入った赤白石もあります。しばらく小川の石を物色しているうちに,鮮やかな緑色がついた石が見つかりました。孔雀石だそうです。孔雀石は,銅の二次鉱物で,もとの黄銅鉱が変質してできたものです。それにしても,この緑は鮮やかです。その鮮やかさゆえに,太古の昔から緑色の顔料として使われきたのでしょう。なんたって,かのクレオパトラ女王もアイシャドーにキプロス産の孔雀石を使ったんだから。同じようなものに,珪孔雀石というのがあるそうで,こちらも二次鉱物です。孔雀石と似ていますが,違うそうです。その違いは,…ボクにはわかりません。
新緑に包まれながら,小川の石をハンマーで割る。健康的というか,なんというか。でも,ハンマーで電車に乗って寝ている人の頭をたたくよりはマシというものです。それにしても,近頃の「17才」といのはどうなってんネン!?
参加者のハンマーを見ると,様々です。丸みのある重そうなハンマー。細身で鋭いハンマー。柄の長いハンマー。ベテランと呼ばれる人たちは,手にしっくりとなじむ自分の愛用のハンマーがあるとのこと。ハンマーに名前をつけたりして?やはりその道の達人ともなると,「違い」がわかるようです。
根気のないボクは,孔雀石とジャスパーをゲットすると,すぐに小川から出てSTを進みます。それでも,歩きながらも時々石を割ります。石を見ながら歩いているわけですから,いつも下を見ているわけです。これって,まわりの景色がもったいないよね。
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抗口発見!
STを上り詰めると,小さな神社がありました。大杉もあります。この神社は,名前がわかりません。拝殿は昭和62年に改築されています。中をのぞくと,大きな石が奉られています。大岩を祭るというのはよくありますが,こんなふうに拝殿の中に置かれているのは,珍しいのではないでしょうか。もしかすると,その石こそが重晶石かも?
拝殿の奥の谷にズリ跡があります。さっそくハンマーを取り出してカチン!見ると,緑色の孔雀石が。が,喜びもつかの間。まわりをよく見ると,緑色の石があちこちにあります。このあたりの石は,二次鉱物に変質してしまっている石が多いようです。きれいな孔雀石だって,珍しくはありません。チョットがっかり。
がっかりしたところで,抗口の見学です。谷の奥をさらに上った所に,小さな抗口がいくつかあります。近寄ってみると,穴の大きさは人一人がやっと入れるぐらいの大きさです。こんな小さな穴に入って手掘りでカチン!カチン!と鉱石を掘っていたんでしょうから,気が遠くなります。第一,こんな狭い所に入っているだけで,息が詰まりそうです。でも,こんな苦労をしても。報酬はそれ以上のものがあったのでしょうね。金・銀をはじめ銅・亜鉛もそれだけ貴重な鉱物だったんですね。だから,船岡鉱山と同じような規模の鉱山は,日本中いたるところにあるわけです。
抗口の上を歩いていると,それまでと違った石を発見。手に取って見ると,鉱物ではないようです。どうやら鉱滓(精錬のカス)のようです。やはり,ここで精錬が行われていたようです。精錬方法は,鉱石を焼いて銅の酸化物を作り,その酸化物に木炭を加えて還元し,銅を取り出すという方法だそうです。なんだか,学校の理科の授業でする酸化還元の実験みたいです。
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植物と鉱物
上を見ると広葉樹の新緑がきれいです。針葉樹の植林帯だと,一年中同じような景色です。やはり,広葉樹の林は,四季があっていいものです。ふと足元を見ると,ランのような小さな花が咲いています。あたりを見ると2株しかありません。これは貴重な植物なのではないでしょうか。でも,あとで聞くと,この花は「エビネ」といって,それほど珍しい植物ではないそうです。でも,以前はこのあたりいったいに自生していたそうですが,今ではこんな状態です。
エビネとは違いますが,植物と鉱物は関係があるそうです。鉱物の酸性がある特定の植物の生長を促すんだそうです。ですから,その植物を見つけると,地中にある鉱物の推定ができることになります。ナント,すごいですね。でも,山の中ではいろいろなものが関連して存在していることを,再認識させられる話です。鉱物採集も奥が深い!