第80回天皇杯全日本サッカー選手権大会4回戦&準決勝(2000.12.23)


  

4回戦 S広島(2000.12.17)

今日は,神戸ユニバシアード記念競技場でのV神戸の最終試合です。残念ながら,朝からの雨で,コンディションはあまりよくないようです。でも,かえってこんなコンディションの方が今のV神戸には向いているかもしれません。それよりなにより,観客が少ないであろうことの方が気になります。実際,この試合の観客は,約2000人でした。これでは,V神戸だけでなく,S広島もチョット気合いが入りにくいでしょう。そればかりか,サッカー人気の低下も気になってしまいます。満員で座る所もないほどの入りというのもツライですが,こんなにガラガラの観客席を見ながらサッカー観戦もさびしいものです。

この日の試合で最後になる河錫舟・長谷部茂利・黒崎久志らが先発出場です。3回戦の辛勝で,少しは気分も引き締まっていることでしょう。それに対して,J2水戸に7:0で圧勝したS広島は,阿波踊り藤本,野生児久保,いぶし銀の上村らがいます。試合開始から,V神戸がボールを支配しています。S広島は,中盤でのパスがつながらず,V神戸のゴール前に攻め入ることもできません。それに対して,V神戸は,ゴール前には攻め込むものの,黒崎の頭をねらったアーリークロスが多く,S広島のDFにことごとくはね返されています。ボールを支配している限り,失点はないものの,ワンパターンの攻撃では得点もできません。サイドチェンジをまじえながら,サイドをえぐる攻撃が見たいものです。S広島は,藤本がペナルティーエリア付近でボールを持つといい形になります。時おり,サイドをえぐる攻撃があるものの,こちらはその攻撃が続きません。

なんだか同じようなパターンが繰り返されて,30分。左サイドに開いた河錫舟からセンターリングが。黒崎に渡り,茂原のバーをたたいたシュートが,ゴール前に詰めていた長田に渡り,ごっちゃんゴ〜ル!待望の先制ゴールです。2ndステージ終盤から早目の得点ができるようになり,その勢いが出たのでしょうか。それにしても,ゴール前の混戦からのゴールとは,昨年のV神戸を思い出させます。ゴチャゴチャの中で点を取られたS広島は,失点した気がしなかったでしょう。

失点してからのS広島は,怒涛の攻めを見せることもなく,前半が終了。なんだか拍子抜けです。この時期は,選手の契約更改もあって,チームが落ち着かない感じです。特にV神戸は,大人数の移動があり,心配しましたが,その影響は少ないようです。むしろ,S広島の方にその影響があるのかもしれません。J1チームの雰囲気,特に下位のチームにとってこの天皇杯は,モチベーションを保ちにくいのでしょうか。とにかくJ1残留が決まったものの,優勝できる見込みはなし。助っ人外国人が帰国しているチームもあるとか。これでは「全日本選手権」の名がむなしい!ナビスコカップは,若手の登竜門となっている感があります。ヨーロッパでもリーグ戦が中心で,カップ戦は脇役といった感じです。この天皇杯もシーズンオフの消化大会にはなってほしくないものです。

後半が始まりました。雨はあいかわらず降り続いています。1点を取られているS広島は,前がかりになって攻めてきます。が,その攻めに迫力もスピードもありません。S広島って,こんなチームだったっけ?リーグ戦では,なんでこんなチームに負けたんや?そんな感じです。でも,思えば,このS広島戦の敗戦から6連敗。2ndステージ低迷のきっかけとなった相手です。なんとなく点を取られて,なんとなく負けてしまったのです。ですから,この試合は,2ndステージのリベンジといったところです。そういえば,あの試合も雨だったよなぁ。

でも,S広島が前がかりになって攻めてきているということは,それだけV神戸のカウンター攻撃のチャンスが増えたということ。実際,決定的なゴールチャンスが3回。しかし,その3回ともゴールを決められず。こんなところに決定力不足が現れているようです。こんな時には,経験豊富なKAZUの存在がほしいところです。早くV神戸への移籍を決めてほしいものです。

2点目が取れていれば,それほど苦しむことのなかったこの試合。後半は,S広島に支配され,ピンチの連続です。掛川のファインセーブあり,ゴールポストのはね返りあり。この試合は,運もあるようです。S広島は,高橋を投入し,さらに攻撃に厚みをつけようとしています。が,この日のV神戸のDFは集中しています。さらには,松尾の攻撃参加もあります。残念ながら,茂原は途中交代,森は結局出場なし。松尾,森,茂原のヤングトリオに期待がかかります。また,長い間負傷でゲームにでることができなかった薮田が,3回戦に続いて途中からながら出場。来シーズンへのあかりが見え始めたようですが,スター不在が問題です。永島なき後,V神戸の人気を盛り上げるようなスターの出現が待たれます。

後半をなんとか無失点で終え,雨中の4回戦はV神戸の辛勝。やはり,S広島は,3回戦の大勝で気分が緩んでいたのかもしれません。これでV神戸は8強入り。辛勝続きで,気分的にも乗ってきているはずです。準々決勝は熊本でS大阪と対戦です。S大阪は,西沢がスペインに行き,森島は体調不良で試合には出ることができません。中心選手のいないS大阪なら勝てるかもしれません。とはいえ,S大阪は,層が厚い。西谷がいる,伊も盧もいます。スピード豊かな攻撃にてこずりそうです。田坂の守りも強固です。でもでも,なんとかS大阪に勝って,長居に来てほしいです。そうなると,相手は清水Sかな?

準々決勝 S大阪(2000.12.23)

予想通りのS大阪戦です。今回は,TV観戦ということで,TV中継が遅れてしまい,途中からの観戦です。

TV中継が始まると,1点リードです。なんと!V神戸が先制しています。しかも,若い茂原の得点です。これはスバラシイ!先制されると,ほとんど負け試合って感じですが。

ボールは,圧倒的にS大阪が支配していますが,守備は安定しています。時おり見せるカウンター攻撃は,スピードがあります。しかも,ゴールを積極的にねらっています。久々のイイ感じのV神戸です。天皇杯のようなトーナメント戦では,勝つことによって調子に乗るってことも勝ち進める要因の一つのようです。あきらかに,V神戸の調子は上がっています。

30分すぎに河錫舟の速いCKから,土屋,松尾へと渡り,ゴ〜ル!2点目です。ボールを支配されながらも,セットプレーからの得点。S大阪にしてみれば,ガックリでしょう。

S大阪は,伊が攻撃の中心です。予想通り,西谷の鋭い切り返しからサイド攻撃をしかけてきます。V神戸は,河錫舟や布部の動きのようさが目立ちます。でも,どうして崔成勇が出ていないのでしょう。

前半のロスタイムに入ったとき,伊のロングシュートが決まりました。キーパー掛川が前に出ているのをよく見ていて,その頭を越した見事なシュートです。伊の視野の広さとキックの正確性におどろいてしまいました。

後半が始まると,S大阪の猛攻が予想されましたが,意外にもV神戸がボールを支配する時間が多くなっています。が,時間稼ぎをしたりして,意識が守りに入っている感じです。時間がまだまだあるというのに,困ったものです。この調子だと,なつかしの「ロスタイム失点」ということもありそうです。

S大阪は,盧が入り,スピードのある攻撃が増えそうです。と,その盧が右サイドから上村にわたり,同点ゴール。ガックリです。もう1点をとる気迫が欲しい!

同点になってからは,圧倒的にS大阪のペースです。が,伊が負傷退場。S大阪には,痛い退場です。V神戸は,時おりカウンター攻撃をしかけますが,決定的なチャンスになりません。攻撃の人数が少ないだけに,攻撃に厚みがありません。後半終了直前のチャンスもものにできず,同点のまま延長戦へ。

延長に入っても,S大阪の攻勢は続きます。が,10分ごろに,V神戸の攻撃です。長田や薮田のシュートが惜しくも外れ,延長後半へ。攻撃を組み立てる伊の退場が痛いS大阪です。疲れもあってか,攻撃に迫力がありません。時おり見せるV神戸の攻撃の方がスピードがあります。

結局,PK戦は,4:3でV神戸の勝ち。幸運そのものですが,運も実力のうち。これで,さらに上昇機運に乗って,清水Sを撃破だ〜!

準決勝 清水S(2000.12.29)

長居スタジアムは2年ぶりです。あの横浜フリューゲルスが天皇杯で優勝し,そして消滅した2年前の準決勝です。その時は,超満員の観客と異様な雰囲気に圧倒されたものでした。が,今回は,この広い長居スタジアムで観客は6000人ほどとは,ちょっとさみしいものがあります。また,長居スタジアムに来ると,いつもの神戸ユニバー記念競技場の観客席などの施設で,さすがに古さを感じざるをえません。御崎スタジアムの完成が待たれます。

今回の対戦相手の清水Sは,タレントぞろいです。2ndステージは不振でしたが,本来の力は優勝も狙えるチームです。その強豪チームにどう立ち向かうか。やはり,組織としてきっちり守り,速攻をしかけるしかないでしょう。要注意は,アレックスです。今年のアレックスは,去年ほどの活躍は見られないものの,準々決勝ではハットトリックを記録するなど,復調の兆しがあります。あのスピードを遺憾なく発揮されれば,苦戦は必至でしょう。また,澤登の多彩なパスワークも要注意です。

先発メンバーを見ると,V神戸は,DFに崔成勇の名前がありません。この天皇杯では,ほとんど出番がありません。先日の日韓戦では,元気にプレーをしていたので,ケガというわけではなさそうです。この試合では,アレックスのマークをすることが多いポジションなので,スピードのある崔成勇が必要だと思うのですが,結局,最後まで出番はなし。川勝監督は,どんな考えでメンバーを決めているのでしょう。吉村と茂原でアレックスを押さえ切れると思ったのでしょうか。実際,この試合の決勝点は,右サイドから崩されたものです。

試合が始まると,予想通り?清水Sがボールを支配していますが,V神戸のゴール前までは運べません。逆に,V神戸は,早いチェックから素早く清水Sゴールに迫ります。苦戦を予想していましたが,チャンスの回数では,V神戸の方が多い感じです。これは,もしかすると…,と国立弾丸ツアーが頭をよぎります。とにかく,この日のV神戸は,2ndステージのダレた試合運びとは全然違います。別のチームのようです。攻守の切り替えが速く,中盤でのチェックもキッチリできています。清水Sの持ち味である速いパス回しを完全に消しています。結局,前半は0:0で終了。いよいよ,勝負は後半です。

後半に入ると,V神戸に疲れがみえ始めました。単純なミスが見られます。でも,ボールに対する気迫は十分です。20分ごろの清水Sの分厚い攻めにも,DF陣は身体をはって守っています。素早いカウンター攻撃で清水Sゴールに迫ります。が,ゴール前までは行くものの,フィニッシュに工夫が足りません。なんともどかしくことか!と,清水Sの逆襲です。ロングボールをオリバが受け,伊東が折り返し,横山がゴ〜ル!あっけない失点です。それまでの緊張が音を立てて切れてしまいそうです。くやしいですが,やっぱり,ゴール前でもきっちりとボールを回せる清水Sは一枚上手です。終盤のV神戸の攻撃も,枠を捉えたシュートがなく,攻めているわりにはキレがありません。最後のコーナーキックも清水Sに跳ね返され,結局,0:1で終了。V神戸の快進撃は,ベスト4止まりということになってしまいました。

来年は,KAZUが加入します。韓国コンビはじめ,黒崎,吉田など,多数の選手が退団します。29日付のスポニチ?WEBでは,海本も退団するとか。これでいよいよV川崎のリストラ受け皿チームです。いったい,V神戸首脳陣は,チーム作りをどう思っているのでしょうか。これでは,川勝のお気に入りばかりを集めた,川勝個人のチームです。Jリーグの理念の一つである「地域に根ざしたチーム」というのが,これで感じられるのでしょうか。プロのチームですから,強ければいいのでしょうが,このチームの雰囲気では,海本が退団したがったというのもうなづけます。首脳陣には,もっと長い目でみたチーム作りを考えてもらいたいものです。


「アラカルト」にもどる

ホームページにもどる