春は名のみの扇ノ山(2009.4.12)


扇ノ山へ行こう!

今春の山の雪融けは早いとか。先日の氷ノ山も,例年よりも雪融けが進んでいました。でも,近場で一番の豪雪地帯である扇ノ山なら,まだ雪はありそうです。天気もいいことだし,今日は扇ノ山で雪遊びをしましょう。でも,心配なことが一つ。林道海上線がどこまで除雪されているかです。上山高原では,毎年,4月の大型連休にイベントがあるので,それに合わせて除雪が行われるのですが,今の時点でどこまで除雪しているのでしょう。上山高原までだったら良しです。

3時間のドライブで海上の集落へ。道の脇には,スイセンなどが咲き,所々に花壇も設置され,花いっぱいの集落です。でも,オイラとしては,そんな園芸種の花よりも,道のあぜに咲く雑草?の花々が気になります。慎重に脇見をしながら花をチェック。あちらこちらに花が見えます。スミレ,キケマン,イカリソウ,タンポポ,ホトケノザなどなど。いつもは4月下旬に訪れるのですが,今年は2週間ほど早目です。でも,これだけの花が咲き乱れているなんて,やはり,海上は花いっぱいの集落です。田んぼでは,田植えにそなえて田おこしの真っ最中。暖かい春の光の中で生き生きと活動する人たちのエネルギーが感じられます。

林道海上線に入り,上山高原を目指します。駐車スペースが整備されたしわがらの滝の入口を過ぎると,徐々に道の脇に雪が見え始めます。でも,路面に雪は残っていません。結局,上山高原までは,全く雪はなし。高原の広場には,除雪用のブルドーザーが放置されています。やはり,上山高原までは,除雪しているようです。ところが,その先はというと,これが全くの手付かず状態。おそらく,上山高原から先は除雪せず,,自然に雪が融けるまで通行はできないのでしょう。これも,経費節減のあおりを受けたということなのでしょう。とすれば,林道上山線が全線開通するには,まだ1ヶ月以上もかかるかな。

上山高原の草地に車をとめ,準備です。見ると,車は4台。そのうちの1台からハイカーが出てきました。10時半にもなろうかというこの時刻から扇ノ山に登ろうという人は少ないのでしょう。ボードをリュックにはさみ,スパッツを着けて出発です。アイゼンやスノーシューは,この時期ではあまり必要を感じたことがないでの,今回も持参せず。

  
雪深い林道海上線 ショウブ池付近から見る扇ノ山
雪深い林道海上線
ショウブ池付近から見る扇ノ山

林道でも雪タップリ

それにしても,林道の北側部分は,しっかり雪が残っているのにビックリ。雪で林道が埋まり,斜面になっている箇所は,要注意です。滑ると,右手の谷に一直線です。グサッグサッと雪に靴をけり込み,慎重に進みます。林道が尾根を巻き,南側に出るとショウブ池です。ここから見る扇ノ山の山頂は,はるか上です。斜面には雪はしっかりと残り,まだ木々に緑が見えません。2週間後には,やわらかな緑が加わり,より一層春らしい景色が楽しめることでしょう。

ショウブ池をあとに,雪の林道を進みます。Tシャツ1枚でも汗ばむほどの陽気です。それでも,林道の雪は融けないんだから不思議です。進むにつれて,徐々に標高を上げます。振り返ると,上山高原の向こうには,春の装いを身にまとった但馬の山々がかすんで見えます。なんとものどかな景色です。

上山高原を出発して45分ほど。ようやく,小ズッコの登山口です。このあたりも雪はたっぷり。丸太階段を上りきり,少し進むと山小屋があります。このあたりでも,積雪は30cmぐらいはありそうです。ということは,山頂では,1mぐらいはあるかも。雪遊びをするには十分の積雪です。楽しみですねぇ。

  
小ズッコ登山口 小ズッコ避難小屋
小ズッコ登山口
小ズッコ避難小屋

夏道らしいところにはテープがあったりします,雪の積もったこの時期はどこを歩いてもOKです。木々の間も思ったほどに狭くはなく,リュックに横向きにはさんだボードが木に引っかかることはありません。植林を少し登ると,コブシの花が咲いています。時期が少し早かったのか,花をつけている木が少なかったのが残念。それでも,近づいてみると,少し黄色味を帯びた大きな花は,それだけを見ていてもいいものです。

植林帯を抜け,傾斜が緩やかになると,あたりはブナの林に変わります。大木は少ないものの,白い雪原に落としたブナの影は,幾何学模様のようでオモロ〜。雪はさらに締まり,歩きやすい。雪面を見ると,山スキーのシュプールが何本か見え,何人分かの足跡も確認できますが,それほどたくさんの人が通ったようではありません。ましては,バスツアーの団体さんが通ったようには見えないので,静かな扇ノ山が楽しめそうです。

  
根性ブナ その1 根性ブナ その2
根性ブナ その1
根性ブナ その2

ド根性ブナ1号,2号,3号。幹にポカリと穴のあいた大杉。春の日に虹色に反射する雪のつぶ。そして,時折聞こえる小鳥のさえずりと,鹿の甲高い鳴き声。生命の息吹が感じられるこの時期の扇ノ山もいいものです。小ズッコを越え,少し登り返して,大ズッコへ。いつもなら,登り返しの右手の斜面でひと滑りするのですが,今日は時間がないのでパス。大ズッコからは,少し急な下りを下りきると,あとは山頂目指してひと登りです。展望台でかすむ鳥取の町を眺め,山頂へ。

  
仏ノ尾と青ヶ丸 ブナ林の向こうに扇ノ山山頂
仏の尾と青ヶ丸
ブナ林の向こうに扇ノ山山頂

北斜面は極楽だゼィ!

山頂に近づくと,北斜面は残雪がタップリ。あの猛烈なチシマザサはまだ雪の下です。巷では,今年は雪が少ない,暖冬だといわれていましたが,ここ扇ノ山は,例年並みの雪の量です。標高こそ氷ノ山に劣るものの,雪の量では負けてはいません。これはちょっと不思議な気がします。

  
雪がタップリの山頂 氷ノ山
雪がタップリの山頂
氷ノ山

時間は12時半なので,滑るよりも先にランチです。冷たいおろしそばとお弁当。食後の定番のコーヒーをいただき,元気回復。先客の山スキーヤーたちはふる里の森から登ってきたとか。あとからも,山スキーヤーたちが登ってきたので,さながら山頂はスキー場の様相を呈してきました。その山スキーヤーたちが滑り出す前にオイラがひと滑り。雪はザラメで板がよく滑ります。先日の氷ノ山のモナカ雪やベタ雪に比べると,断然滑りやすい。気持ちよく滑り降り,見上げるとはるか上に山頂小屋が。ゲソッ!結局,2本滑っただけで,山頂をあとに。

  
山頂北斜面を滑る 極楽だゼィ〜!
山頂北斜面を滑る
極楽だゼィ〜!

次は,大ズッコ手前の鞍部への下りです。ここは滑らなきゃ。木々の間を抜け,ほぼ直滑降気味に滑る。雪が雪だけにそれほどスピードが出ないので,板を回すのが大変。気持ちよく滑り降りたあとは,大ズッコへの登りです。楽あれば苦あり。苦あれば楽あり。まさに,人生の縮図?って,そんな大げさなことはありません。一汗かいて大ズッコへ。大ズッコの尾根の先端からは,少し斜滑降気味に鞍部に向かいます。ここは,短いながらも,雪が最後まで残っているので,究極のダウンヒルコースです。この他にも,滑るのにちょうどいい尾根がいくつかありますが,登り返しのことを考えれば,チョットねぇ…。

鞍部を登り返すと,広くなだらかな尾根です。ブナの木立をぬうように滑るものの,傾斜不足で失速。あとは,のんびり歩きです。少し傾きかけた日の光に照らされたブナは長い影を落としています。どこからか,犬のような鳴き声が聞こえてきます。???まさか,この山の中に犬がいるわけはないし,かといって犬連れのハイカーにも会わなかったし。さて,あの鳴き声はいったい何だったのでしょう。

  
大石コース分岐付近 林道から扇ノ山山頂をアップで
大石コース分岐付近
林道から扇ノ山山頂をアップで

親水公園との分岐点からは,植林になっています。そこそこ傾斜はあるのですが,木立の間が狭いうえに,板が回らないので滑るのはギブアップ。再び,スノーハイキングです。幸いなことに,思ったよりも雪は緩まず,歩きやすい。植林帯を抜けると,小ズッコ小屋が見えてきます。雪があれば,北の尾根伝いに歩くとショートカットになるそうですが,今は雪が少ないのでヤブっぽくなっているとか。ここは,素直に林道に下りましょう。

林道の雪の残っているところは,斜滑降で滑ることができるのですが,同じ向きで滑るので,ふくらはぎが痛い。途中までは,我慢をして滑っていたものの,ついにダウン。板を担いで歩きましょう。それでも,下りなので少しは楽です。ショウブ池まで来ると,見上げる山頂ははるかかなたに。山って,遠いように見えても近かったり,近いように見えても遠かったりするんですよね。最後は,板をソリにして上山高原へ。見ると,広い草地には除雪用のブルとオイラの車だけが取り残されています。このあと,海上の集落で花の写真を撮って我が家へ。思ったよりも滑ることができ,天候にも恵まれた気持ちのいい山行きとなりました。走ってよし,滑ってもよし。やっぱり,扇ノ山はイイよねぇ。

        


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