信州登山記〜雨飾山・妙高山・火打山・高妻山・戸隠山・飯縄山〜 (2003.7.29〜8.3)  by H浜Y行


●対象地域

 雨飾山(1963m)・火打山(2462m)・妙高山(2454m)・黒姫山(2053m)・高妻山(2353m)・戸隠山(1904m)・飯縄山(1917m)

●日程 <JR→ バス→ MTB→ 徒歩→

7月29日(火)
自宅加古川糸魚川中土小谷温泉 村営雨飾荘(泊)

7月30日(水)
村営雨飾荘4:00キャンプ場4:30雨飾山7:00村営雨飾荘9:00乙見山峠12:00笹ヶ峰14:20 国民休暇村笹ヶ峰ロッジ(泊)

7月31日(木)
笹ヶ峰4:00富士見平5:15高谷池ヒュッテ5:50黒沢池ヒュッテ6:30妙高山7:50高谷池ヒュッテ9:30火打山11:20高谷池ヒュッテ12:40笹ヶ峰14:40黒姫高原16:30 ロッジこまずめ(泊)

8月1日(金)
黒姫高原4:30御巣鷹林道登山口5:00黒姫山7:10表登山口8:55黒姫高原10:30戸隠村営キャンプ場14:30(泊)

8月2日(土)
戸隠村営キャンプ場6:00戸隠牧場6:10不動避難小屋7:00高妻山9:00不動避難小屋11:00戸隠山12:30奥社14:00御神門戸隠牧場キャンプ場15:30飯縄南登山口17:30 ロッジピノキオ(泊)

8月3日(日)
ロッジピノキオ3:20飯縄山5:05ロッジピノキオ7:00長野駅11:26加古川自宅


1995年。集中豪雨で大糸線が不通になり,登山計画が流れてしまった。現地に電話で確認すると,妙高小谷林道は7月末に開通するというので,再度計画をする。今年の夏は天候不順で,荷物が増え,ザックが膨らむ。

7月29日(火) 曇りのち小雨

早朝,自宅をMTBで出発,JR加古川駅へ。北陸まわりで糸魚川経由大糸線中土駅で下車。小雨の無人駅は寂しい。少し待ち,小谷温泉行きのバスに乗り込む。乗客は,幼稚園帰りの子どもと地元の方2人。登山者は私一人だけ。小雨に煙る谷あいの細い道を登って行く。他の乗客は次々に降りてしまい,終点へは私だけ。すぐ前にある村営雨飾荘に入り一息つく。17時から夕食だが,その前にMTBで登山口まで偵察に行く。帰りには樹木に囲まれた露天風呂で汗を流す。気持ちいい。温泉に満足して宿に帰ると,食堂に豪華な夕食が並んでいる。ヤマメ,山菜,刺身など。ビールを我慢し,ご飯をお代わりして腹いっぱい。内湯の温泉にも入り,早目に床につく。

  
雨飾山
雨飾山

7月30日(水) 小雨のち曇り 雨飾山・乙見山峠

4:30 小雨降る中,雨具とライトをつけ,MTBで登山口へ。休憩舎でMTBにカギをかけ,ヘッドライトで登山開始。少し下ると湿地や沢があり,木道がひかれているので歩きやすい。木道が終わると,ブナ林の中の上りになる。小雨煙るブナ林は,実に心地よい。ブナの香りを思いっきり深呼吸。やがて明るくなり,快調に登る。前方が開けると,大雪渓が見える。荒管沢だ。雪渓の降りると,風が出て少し寒い。今年は残雪が多く,水場が見えない。沢沿いを少し登ると,ケルンがあり,花束が供えられている。ここで遭難されたのか。私も気を引き締める。

尾根に出ると風がガスを流し,一時,金山が見えた。急登ののち,稜線に出て,笹とお花畑の道を行く。梶山への分岐,コルより最後の急登で,2つのピークがガスの中に見えてくる。右は南峰。石仏や石祠が祀られている。左は北峰で,三角点がある。7:00 誰もいない雨飾山頂上。ガスと強風で何も見えず,写真を撮り,すぐに下山。途中で5人の登山者とすれ違う。

雨もやみ,9:00には下山。露天風呂に行くが,10時までは清掃作業で入れない。宿で携帯食を摂りながら,態勢を整えて待つ。10時になり,露天風呂に行くと,先客5人が気持ちよさそうにつかっている。私もすぐに入り,汗を流し,リフレッシュする。このあとにMTBでの林道走行がひかえているので,30分で上がり,MTBに跨る。

林道は,初めはオンロードですが,しだいにオフロードに変わる。所々で工事をしているが,ほぼ終了しているようだ。晴れ間も出てきて暑くなり,疲れが出始めたころに乙見山峠に到着。トンネルを抜けると,緑の中に青い湖面の乙見湖が遠望できる。これから笹ヶ峰までは下りと思っていたが,上りもあり,疲れる。やっとオンロードになり,笹ヶ峰に着く。キャンプ場は芝生が広々として,気持ちよさそうだが,風呂と食事がとれないのでロッジに泊まることにする。

時間があるので近くを散策。雰囲気のいい食事処に入る。囲炉裏の前でビールとつまみでリラックスしている人と話をする。パステルでブナを描いている江口義明氏であることが判明。彼は,日仏美術展の表彰のために少し前までパリに居たそうである。その際に,ツールドフランスの開会式の準備を見ることができたとか。その時の貴重な資料や写真を見せていただき,感激!聞くと,明星荘は宿泊ができ,食事もよく,専用テント場もあるとか。渓流もあるということで,案内してもらう。今度来る時は,ここで岩魚と山菜,キノコ料理だ!今日は仕方なく,ロッジに行き宿泊。

  
乙見山峠にて
乙見山峠にて
  
妙高山・火打山
妙高山・火打山

7月31日(木) 曇り時々雨のち晴れ 妙高山・火打山

4:00ヘッドライトをつけ,登山口で届けを出し,ブナ林の中の木道を登る。富士見平より日の光を見る。高谷池ヒュッテに着くが,ガスが出てきてあたりの山々を隠してしまう。今回は火打山がメインで,先に妙高山に行くこととする。黒沢池に着くと雨になってしまった。道の横には雪が残っている。雨具をつけ,樹木の間を行く。砂地を横切っていると,道の横の穴からヘビが2匹出てきて,驚かす。大倉乗越より急降下し,雪渓に降りる。ここも水場は雪の下。しばらく雪渓を登り,岩を急登すると妙高北峰に着く。さらに岩や低木の間を行くと,妙高大神のある南峰に着く。ガスや小雨のために展望はない。

写真を撮り,北峰に帰っていると,途中で追い抜いた中年女性3人組が上がってきた。話をしていると,昨日,黒姫高原のロッジこまづめに泊まって,ストックを忘れたのを言い付かる。黒沢池に戻り,高谷池に出ると晴れ間が出て,ハイマツの緑と残雪に飾られた火打山が池に投影されている。天狗ノ庭に出ると花畑。地塘の側には残雪があり,融けた水がチョロチョロ流れている。少し登り,稜線に出ると,木階段などで高度を上げ,待望の火打山山頂のたどり着く。

山頂には,すでに30人ほどの人がいる。南方は雲に隠れているが,北方は日本海。微かに佐渡島が見える。西は焼山と金山の間から雨飾山が顔を出す。携帯食や写真をとりながら展望を楽しむ。12時を過ぎたので,下山にとりかかる。途中で水がなくなり,雪融け水でのどを潤す。美味い!高谷池,富士見平と順調に過ぎるが,暑くなり汗まみれ。黒沢に着くと清らかで冷たそうな水が流れている。靴を脱ぎ,沐浴。のども潤し,スッキリ。

その後も快調に下り,明神荘に到着。山菜そばを頼み,荷造りをする。出発の挨拶をすると,若女将が「霧に注意して」と言う。外を見ると,白くモヤっている。視界は50〜100mぐらいか。慎重にMTBを走らせる。サングラスも霧で曇り,指で拭いながら,ブレーキを頼りに下り,杉野沢へ。雨になっていた。雨具を着て,案内板を見ながら黒姫高原を目指す。

雨と霧,汗で濡れネズミになったころ,ようやくロッジこまづめに到着。部屋に荷物を置き,風呂に直行。少し温泉成分が入っているようだ。濡れた物も身体も洗い,さっぱりして上がる。食事は広間で私一人だが,豪華に並んでいる。宿のおばさんが戦争時の話で相手をしてくれた。今日の客は私一人。明日からは学生のギター部の合宿で忙しくなると言う。夜中も雨で登山道の偵察ができず。明日が心配だ。

  
黒姫山
黒姫山

8月1日(金) 霧曇りのち晴れ 黒姫山

ライトを頼りに不案内のスキー場の草地を登っていると,霧で足元が濡れる。やがて,道路に出て,車止めの柵に当たると案内板がある。この道は御巣鷹林道と判明。柵を抜けると,MTBで走るのによさそうな道だ。登山口より登っていくが,あまり使われていない道なのか,草とコケに覆われている。所々にキノコも見える。シメジらしき物があったので,1本取り,よく見てから口に含む。原生林の静かなよい山だ。

やがてスキー場の上に出て,小泉登山道と合流。姫見台に着くと,東の展望が開ける。道も良くなり,越見尾根,黒姫乗越より外輪山のコメツガ林の稜線を行くと,表登山道と合流。右には御巣鷹山の下に緑に囲まれた七ツ池や峰ノ大池が静かに潜んでいる。少し登ると黒姫山山頂に出る。小さい石祠があり,森林限界では南が開け,これからいく高妻山,戸隠山,飯縄山が間近に見える。北は木立の間から妙高山,火打山が頭を上げている。

一人でのんびりしたいが,朝食の時間なので,急いで表登山道を下る。登山口に着き,林道を行くが,不案内で大回りをして時間を食ってしまった。10:30ようやくロッジに着き,遅くなった朝食をありがたくいただく。MTBに乗り,ザックを担ぎ,黒姫駅近くまで下り,戸隠を目指して上りを登る。太陽が出てきて,暑くなる。少しバテ気味で戸隠村営キャンプ場にたどり着く。広いがオートキャンパーが多く,いい場所が少ない。やっとテントを張り,MTBで温泉に行くものの,アップダウンが激しく,途中であきらめてテントに戻る。近くで食事を摂り,寂しく寝る。

  
高妻山・戸隠山
高妻山・戸隠山

8月2日(土) 雨のち曇り時々晴れ 高妻山・戸隠山

雨音で目が覚めた。テントに水がしみ込んでいる。雨で準備が遅れ,出発が6時になってしまった。MTBで牧場に着くと,雨は止んだ。登山口で登山届けを出し,牧柵にMTBのカギをかけ,柵を抜けていく。沢沿いを登っていき,滝ではクサリを頼りに慎重に登る。最後の水場で一服。途中で10人ぐらい抜き,急登すると尾根に出た。不動避難小屋に出ると,空が明るくなり,黒姫山が見え始めた。右折し,各所にある石祠に案内され尾根道を行く。途中で,野性のサルを見る。高山植物の若葉を食べているようだ。いくつかのピークを越え,大岩の重なりを越えると,高妻山の山頂だ。

登山者が5人いる。みんな,不動避難小屋に泊まったそうで,昨夜は雷雨だったとか。山頂からの展望は,西方は雲がとれ,雲海に白馬連峰が浮かんでいる。まだ,多くの雪渓が残っており,朝日に光って美しい。黒姫山,飯縄山,戸隠山も間近に見える。写真を撮り,戸隠山へ引き返す。途中で,柴犬を連れた登山者と会う。柴犬を励ます。サルに会わないかが心配だ。不動からは屏風岩,九頭龍山などの急なアップダウンがあり,足元は切れ落ちている。

戸隠山に着くと,5人の登山者が休んでいる。奥社への下りの状況を聞く。クサリ場が怖くなければ大丈夫との答え。蟻の戸渡,剣の刃渡り。少しビビる。クサリ場へと慎重に行く。そのあとは,五十・百間長屋と岩の下を通り,尾根を下ると奥社だ。水を補給し,随神門よりささやきの小径に入る。よい自然道で,林の中に小川が流れている。MTBでものんびり楽しめそうだ。

牧場に着くと,途中で会った犬連れの人が下山してきた。高妻山を登頂したという。すごい!しかし,犬は相当疲れているようだ。MTBを回収し,キャンプ場に帰ると,先ほどの犬が寝そべっている。車に乗っても,窓枠に顔を乗せたっきりグッタリ。私も疲れているが,テントを撤収。移動の準備をして,MTBに跨り,次なる飯縄南登山口に向かう。上りはスピードが出ない。戸隠バードラインの登山口から北に向かい,宿を探す。暗くなる前にようやくロッジピノキオに着く。

部屋に荷物を置き,風呂に飛び込む。汚れ物と身体を洗い,サッパリして上がる。しばらくして食事に行くと,広間で長テーブルに十数人が二グループに分かれて食べ始めている。私は名古屋の会社の若い男女5人グループに入れてもらい,食べ始める。まるで大家族のようだ。旅,山,温泉,自転車などの話をしながら楽しく食べる。食事は,大皿に盛られていたり,小皿に分けられていたりと,バラエティー豊か。しかも,すべて手作りである。ビール,ワイン,焼酎などの酒類も出され,私も勧められる。山では控えていたが,根が好きなので少しずついただく。自転車で日本一周した男性,女性であちこちの露天風呂に入っている人。話は尽きず,宴も楽しく続くが,私は明日,飯縄山で日の出を見るので先に寝る。宴は続く!

  
飯縄山
飯縄山

8月3日(日) 晴れ時々曇り 飯縄山

3:20ヘッドライトを付け,徒歩で出発。星が雲間に少し見える。飯縄大明神の鳥居をくぐると,林の中の登山道になり,暗くて歩きにくい。所々に信仰の石仏が祀られている。千日太夫屋跡の水場は少ししか流れていなかった。先に行くと笹尾根に出る。薄明かりの中に長野の街の灯が光輝いている。戸隠からの西登山道と合流し,飯縄神社の鳥居に着く。5時。北東より薄く焼けるモヤを破り,赤い太陽が上がってくる。間に合った。戸隠山,火打山,妙高山も山頂から赤く染まる。先に進むと,少しのアップダウンで大きな標識のある飯縄山山頂に着く。

写真を撮り,すぐに下山。明るくなった登山道を快調に下る。途中で大きなザックを背負った5人グループとすれ違う。飯縄山から戸隠連峰へ向かうのか?宿に7時に帰りつく。帰る準備をし,たっぷりの朝食を食べ終え,コーヒーを飲んでいると,昨日のグループがやってきて,テラスに朝食を持ち出し,準備をしている。なんとものんびりしている宿だ。彼らは飯縄山に二度挑戦したが,いずれもあと少しのところで引き合えしたと言う。

朝食中のグループに再会を祈り,別れを告げ,MTBに跨る。長野に向け,バードラインを下る。七曲は急坂の九十九折の下り。スリップ止めがあり,疲れる。暑くなった長野市内に下り,善光寺の横を通り,長野駅へ。MTBを袋に入れ,ビールとつまみを持ち,11:26の電車で帰路につく。

毎日の移動で疲れた。天候不順の中,目的の山に登れ,しかもいい人といい宿に恵まれ,満足な旅であった。


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