2002 春の氷ノ山スノーハイキング(2002春 キャンディーズ解散記念日)


  

今年は春が早い

4月が始まったばかりだというのに,もう桜が散り始めています。兵庫県内のスキー場は,3月中旬には営業を終えています。ということは,氷ノ山も雪が少ないということです。例年,4月の第一日曜日か,第二日曜日かにスノボーを担いで登っている氷ノ山ですが,雪が少ないとスノボーで遊ぶことができません。これは大変です。兵庫県で山歩きをしているものにとって,年に1回も氷ノ山スノーハイクをしなかったってことは,許しがたいことです。

早速,翌日の天気をチェックです。TVによると,明日は近畿地方一円マッ晴れ。しかも,寒の戻りがあるということです。これは氷ノ山スノーハイキングに絶好の日和です。天気がいいということは,白い雪と青空とのコントラストがきれいでしょう。寒の戻りがあるということは,雪がしまっているということでしょう。春のベタ雪にズボズボはまりながら歩くのは,ツライものです。これはもう,明日,行くっきゃない!

樹氷の氷ノ山

気合い十分に寝たものの,起きてみるともう6時半です。ありゃりゃ。急いで支度をして家を出て,わかさ氷ノ山スキー場に着いたのは,10時過ぎです。山を見ると,日陰になっている尾根の西側の木には,樹氷ができています。この時期に樹氷を見ることができるなんて,うれしいものです。が,氷ノ山恐るべしの感もあります。

駐車場で準備を整え,出発です。目の前には樹氷スノーピアゲレンデが広がっていますが,雪はほとんど残っていません。茶色の枯れ草が一面に広がっています。林道からロマンスコースの中間部を登ります。ゲレンデの右側には雪解け水が流れを作っています。雪のない中央部を登ります。昨年は,このあたりにはフキノトウがあちこちに芽を出していましたが,今日はあまり見えません。その上,昨年,このゲレンデの真ん中で見つけた一輪のザゼンソウも見当たりません。しばらく,あたりをウロウロしますが,やはり見えません。う〜ん,残念!結局,帰りにも探したのですが,ゲレンデの真ん中で奇跡的にすら思えるザゼンソウとの再会ができませんでした。

残雪の踏みしめ,第2リフトの下を過ぎると,しだいに斜面はゆるやかになってきます。第2リフトの終点です。目の前には,第3リフト沿いの急斜面が見えます。リフト沿いには少し雪が残っています。思えば,昨年,あの残雪を軽やかに滑り降りた人がいたんですねぇ。世の中には,アンビリーバボーな人はいるものでです。

そんなことを思い出しながら登っていると,目の前にスキーヤーが出現。第3リフト中間点付近からの残雪でスキーをしているようです。近づいてみると,なんと!昨年ここで出会った熟年テレマークスキーヤーです。少し話をしましたが,昨年のことは覚えていないようです。歳はとりたくないものです。

やはり怖いアイスバーンの急斜面

中間点から急斜面が始まります。例年なら,右手の斜面を登りますが,今日は左手のリフト下の遊歩道を登ってみましょう。見ると,丸太の階段が見えるので,雪もなく,登りやすそうです。急な斜面につけられた遊歩道を歩くにつれて展望が広がってきます。遠くには扇ノ山,青ヶ丸,仏ノ尾が白い頂を見せています。スキー場は茶色一色ですが,ところどころに白く雪が残っています。手前の雪原では,先ほどの熟年テレマークスキーヤーが転倒てしています。

雪のなかった遊歩道ですが,上部になると残雪があります。しかも,雪はアイスバーンになっているので,滑ると大変です。アイゼンがあれば問題無しでしょうが,簡易アイゼンしかありません。しかも,しかも,履いている靴がスノーボード用のものです。アメゴムの柔らかい靴底では,アイスバーンにキックステップもできません。しかたなく,手足四輪駆動です。恐る恐るアイスバーンを過ぎ,ようやく,リフト最上部へ。ここからの展望はいいものです。リフトが動いていれば,簡単にこの展望を楽しむことができるのです。いいなぁと思いますが,このリフトは下りには利用できないそうです。ということは,この急斜面を下らなければならないということです。楽あれば苦ありといったところです。それにしても,ここまでリフトで登る楽チンを体験してみたいものです。

リフト最上部からは,遊歩道は急なやせ尾根を登ることになります。幸い,積雪がないので夏道といっしょです。丸太の階段を登り,岩場を過ぎると,積雪が増え,ゆるやかなやせ尾根に出ます。雪はしまっているので歩きやすいですが,滑って,左側の谷に転落してはこりゃ大変。注意,注意。雪面には,数日前に登ったと思われる人の足跡と,先ほど通ったと思われるシカの足跡がついています。県境尾根に近づくと,上からパラパラと落ちてくるものがあります。見上げると,木の枝にできた樹氷が強風で舞い落ちてきているのです。

昨年並みの積雪量

やがて県境尾根へ。登り始めて1時間とちょっとです。なだらかな雪原が広がり,雪の量は昨年の4月15日に登った時とあまりかわりはないようです。これなら,山頂直下の南斜面や北斜面,鞍部の東斜面,三ノ丸の東斜面といった快適斜面の雪も大丈夫でしょう。まわりを見ると,左手のブナの木の向こうには三ノ丸から山頂へと続く尾根が見え,その向こうには仏ノ尾,青ヶ丸,扇ノ山が見えます。振り返ると,雪の残った東山,三室山,その奥には後山連山,その左手には中腹に大屋スキー場のある藤無山,須留ヶ峰も見えています。氷ノ山山頂からの大パノラマもいいものですが,この付近からの南の展望も捨てがたいものがあります。ただし,以前までは氷ノ山の山頂は,三画屋根の避難小屋がシンボルでしたが,今ではそのすぐ下にできたエコトイレの方が目立ちます。つまり,山頂のシンボルがエコトイレになったってこと?これも時代の流れってものでしょうか。

  
やせ尾根から登った県境尾根付近のブナ林 山頂尾根へのピーク
やせ尾根から登った県境尾根付近のブナ林
山頂尾根へのピーク

なだらかな雪原をのんびり歩きます。このあたりも雪がしまっているので,楽チンです。ところどころに木の枝やササが出ていますが,スノボーで滑るには大丈夫でしょう。気分よく歩いていると,前方の一面のササヤブ!夏道はどこだかわかりません。このササヤブを抜ける道を探すより,ササヤブを迂回して雪原を歩く方が楽です。こんなふうに自由なコース取りができるのが雪原のよさであり,怖さでもあります。

結局,東に回りこみ,ササヤブを抜け,三ノ丸休憩所に到着。このあたりは雪がなく,夏道と同じです。しばらく登ると,三ノ丸避難小屋です。HPにあったように,小屋のドアは壊れ,取り外されています。中をのぞくと,マットなどが散乱しています。こんな使い方はないでしょう。マナーが問われます。

すぐ上の展望台に上がると,氷ノ山の山頂がぐっと近づいてきます。三ノ丸の東斜面(C)には雪原が広がっています。帰りにはこの斜面を滑るのが楽しみです。展望台からすぐのピークあたりでは,夏道には雪がありません。やはり今年は雪が少な目なのでしょうか。でも,数年前には,もっと雪が少なくて,スノボーを展望台に置いて山頂に向かったことがあります。その時よりはマシでしょう。

山頂直下の鞍部までは,小さなピークがいくつかあります。雪原を見ると,昨夜の雨のためか,足跡らしいものはありません。振り返ると,自分の歩いた足跡だけが点々と続いています。なんだかうれしくなってきます。その足跡が延びるにつれて,氷ノ山の山頂が近づいてきます。見ると,山頂直下の南斜面はササ原が出ていますが,うまくコース取りをすると直下の鞍部にまで行けそうです。下る時は,コース取りに注意です。

静かな氷ノ山

雪原の雪は,ほこりで黒っぽくもなっていますが,今日は人がいないので静かに歩くことができます。この積雪期でも休日になると,昨今の登山ブームのせいか,あるいはBEPALの影響か?山スキーを楽しむ人であふれかえっています。ボクが氷ノ山スノーハイキングをはじめた7年前は,休日でも出会う人はまれでした。山スキーの人だって,縦走路を歩くことが多く,斜面を滑ることは少なかったようです。ですから,ボクのように斜面を滑ると,その華麗なる?シュプールが残ったものでした。ところが,今では縦走路だけでなく,斜面にもシュプールがいっぱい。まるでスキー場状態です。こんなに氷ノ山をナメ切っていいのかという気になります。

湿原のあるピーク付近は,無雪期は湿原の泥で大変ですが,今日は雪原です。どこを歩いてもドロドロになることはありません。ピークからは,尾根をトラバースしながら鞍部へ。こんなことができるのも雪原ならではです。鞍部から山頂への急登は,雪のない夏道です。滑りやすい土の路面ですが,雪の上を登るよりは楽です。いつもならこの急登をMTBを担いで登っているのですから,今日のようにスノーボードを担ぐぐらいなんでもありません。

山頂手前では,南斜面を滑っているスキーヤーがいます。エコトイレの近くでは,昼食を摂っているおじさんがいます。おじさんは,3時間もかけて舂米から仙谷コースで登った来たようです。仙谷コースは急だとか。スキー場からだと2時間少々。やはり,スキー場からのピストンがベターなのかなぁ。

明るい春の太陽がふりそそいでいますが,風が強いので山頂小屋で昼食です。お湯を沸かしている間に,山頂からの大パノラマを楽しみます。眼下のハチ高原は雪がほとんどありません。東に見える杉ヶ沢高原や日高町の山々にも雪は見えません。すっかり春の気配です。なんだか,このあたりに雪があるのが不思議な気がしてきます。山頂からの北斜面(@)にもササが出ていますが,なんとか下まで滑ることができそうです。食事が終わると,滑りましょう。

  
氷ノ山山頂から扇ノ山・青ヶ丸・仏ノ尾を望む 雪のなくなったハチ高原を見下ろしながら滑降
氷ノ山山頂から扇ノ山・青ヶ丸・仏ノ尾を望む
雪のなくなったハチ高原を見下ろしながら滑降

山頂直下の快適斜面

いつものようにこうどんとコンビニ弁当,そして食後のコーヒーもいただき,満腹,満腹。さあ,本日1本目の下りです。北斜面(@)は,強風にさらされているためか,アイスバーン気味で滑りやすくて快適です。ただし,あまり右側に下ると,激下りになるので要注意です。尾根から外れないように快適な下りです。短いながらも気持ちのいいものです。振り返ると,スノボーのシュプールが1本。イイ感じです。気持ちのいいところで,もう1本。2本目のシュプールが雪原に刻まれます。これまたイイ感じです。こうなるとこのシュプールで字でも書きたいところですが,それは無理でしょう。

北斜面で遊んだ後は,いよいよ下山にとりかかります。リュックを背負っているので,いつもとはバランスが違いますが,それもバックカントリーらしくてイイ感じです。さすがに南斜面(A)は大きいだけに距離があります。はじめはゆるやかですが,しだいに斜度が増し,快適です。スキーヤーが登ってきています。一言ことばを交わし,滑り降ります。登ってくる時にチェックした通り,ササヤブの左を抜け,さらに斜面を下ります。大岩の下でボードを外し,鞍部まで歩きます。夏道からは外れているので,この大岩を見るのは初めてです。鞍部までの斜面だって,無雪期はササ原で歩くことはできないでしょう。これも積雪期の特権です。

鞍部からはすぐ上のピークに登り,ブナ林目指して東斜面(B)を滑降です。ところどころに木の枝やササが出ていますが,それをすり抜けて滑るのがおもしろい。気持ちよく滑りますが,あまり滑りすぎると登るのが大変です。ブナ林に入ったところでフィニッシュ。スノボーを外し,斜面をトラバースしながら,登ります。湿原ピークをトラバースし,小さなピークを越え,三ノ丸へ。

三ノ丸の東斜面も快適

これまた,快適な東斜面(C)がスタンバイです。斜度からいえば,この東斜面が氷ノ山ではベストの斜面でしょう。距離が短いのが残念ですが,あまり長いと登り返すのが大変です。リュックを置き,スノボーをセットして滑降です。斜度があるので,これまたイイ感じです。これだから,氷ノ山スノーハイキングはやめられまヘ〜ン。

楽あれば苦あり。三ノ丸に登り返して下山再開です。雪のない登山道をスタコラサッサ。三ノ丸休憩所を過ぎると,しばらくして雪原に出ます。ここからやせ尾根との分岐ピークまではスノボーで下ります。あまり斜度がないので,スピードを殺さないようにササや木の枝を避けなければなりません。こんなことは,ゲレンデで滑っている限りは経験できません。これもバックカントリーの良さ?

やせ尾根の分岐ピークに到着。ここからは,スノボーを外して下ります。雪は適度にゆるんでいるので,しっかりと踏み込めます。雪道から丸太階段へ。そして,恐怖の第3リフト下の急斜面へ。遊歩道の雪もゆるんでいるので,朝のようなアイスバーンではありません。かかとから踏み込めば,軟弱なスノボー用の靴だってしっかりと雪面に食い込みます。それしても,ボクのスノボー靴ほど,山歩きに使われているものはないでしょう。この靴を作ったメーカーだって,こんな使われ方をするとは思ってもいなかったでしょうね。何はともあれ,これだけ使ってもらえるのは,ありがたいことでしょう。

最後は急な丸太階段を下り,第3リフト中間点へ。ここからは,100mほどの雪原を下ります。スノボーをセットして下りますが,尾根で下ったようにはいきません。やはり,雪がくさっているので滑りにくいのです。標高差というのは,雪質に影響があるものなのですねぇ。

残念なザゼンソウ

次の雪原では,スノボーをソリ代わりに下ります。これも楽しい!第2リフト下を過ぎると,最後の雪原を下ります。スノボーをセットして,今シーズン最後の滑降です。これまた滑りにくい雪です。でも滑ることができるだけマシです。最後の滑降を終え,ゲレンデを下ります。路面を見ながら下りますが,やはりザゼンソウは見当たりません。残念,残念。雪解け水の流れを見ながら下りますが,やはりザゼンソウは見当たりません。やっぱり,奇跡のザゼンソウだったのでしょうか。

林道を横切り,ロマンスコースを下りきると,スキー場の最下部です。駐車場はすぐそこです。結局,下りも2時間少々でした。雪の量が心配でしたが,滑るには十分でした。もっと早く来ていれば,もっと滑ることができたのにとも思ってしまいました。でも,今シーズン最後のスノーボードを,今年も氷ノ山スノーハイキングで終えることができて,メデタシ,メデタシです。

  
ゲレンデのフキノトウ 伊勢道の道標
ゲレンデのフキノトウ
伊勢道の道標

町指定文化財 伊勢道の道標

この伊勢道の道標は,お伊勢参りの信仰の道しるべとしてつくられたもので,「左,やまみち,右,京いせみち」と刻まれている。若桜宿新町大師堂前と舂米に二ヶ所道標がある。


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