ブナの新緑 氷ノ山(2001.5.26)
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「自爆」後,1週間
悪夢の「自爆」から一週間足らず。まだ,顔の傷には糸が通ったまま,肩はズルむけ状態です。こんな状態では,山歩きwithMTBはできそうにありません。なんたって,MTBを担ぐと,ズルむけになった肩に当たり,ヒ〜リヒリヒリヒリ!でも,だからといって,天気のいい週末に家にいるなんて,これまた精神衛生上,不健康です。withMTBがダメなら,山歩きといきましょう。
新緑を楽しめるお手軽コース。また,今日は気温が高くなるということなので,ある程度の標高があった方がいいでしょう。しかし,近くのお山は,ほとんどが植林に覆われています。となると,この条件に合致するお山は,氷ノ山しかございません。4月の氷ノ山では,スノボーを楽しみましたが,今回は新緑を楽しむことにしました。コースは,歩きでもお手軽な「大段ヶ平コース」です。時間があれば,三の丸から殿下コースで下るというテもあります。10数年ぶりの大段ヶ平コースです。
8時半に家を出て,戸倉のやまめ茶屋に着いたのが,10時半。坂ノ谷林道を進みます。右手の渓谷は,新緑に覆われています。林道の路面はしっかり踏み固められ,快適です。坂ノ谷登山口への分岐点には,車は1台しかとまっていません。あれ?今日は登山者が少ないのかな?さらに進むと,冬期のツアーコースの入口です。しばらくすると,しだいに駐車している車が増えてきました。スズコなどの山菜採りに来ているのでしょう。歩いている人を見ると,肩から大きな袋を下げ,その下げた袋には山盛りのスズコが。林道の斜面を見ると,かなりの急斜面で山菜を採っている人もいます。林道の両脇の笹ヤブの中からは,バキッ!バキッ!という音がします。スズコを採りに入っているのでしょう。山菜取りったって,重労働です。林道は,「山菜ロード」と化しています。
最短の大段ヶ平コースへ
殿下コースの入口を過ぎ,大段ヶ平を目指します。深い谷を右手に見ながら進みます。なだらかな尾根が行く手に伸びています。その尾根を横切るように進みます。横行渓谷への分岐点からしばらくの間は,路面は舗装されていますが,大段ヶ平手前では地道になっています。11時過ぎに大段ヶ平(P)着。ここもたくさんの車がとまっています。車の近くでテーブルを出しているグループもいます。雲は多いものの,空気はさわやかです。
準備を整え,出発です。登山道入口には,案内板もあります。バイク止めの杭もあります。久しぶりのコースに胸が躍ります。ゆるやかな上りを登り始めると,まわりは新緑の海です。いきなりの目論見通りの見事な光景に,思わずニッコリ。顔にバンソウコウを張ったおっさんが一人で笑っているなんて,あっぶねぇ〜!そんなことを知ってか,知らずか,スズコの入った袋を下げた人たちが次々に下りてきます。道の脇で休んでいる人もいます。笹ヤブの中からは,スズコを採る人が笹を折るバキバキッ!という音が聞こえます。これじゃあ,熊だか人間だか,わかりません。
新緑の海を過ぎると,展望のあるやせ尾根です。道はしだいに急になり,木の階段を過ぎると,大屋町の避難小屋があります。このあたりにもスズコを採るグループが休んでいます。道は急にはなりますが,MTBで下るのは可能でしょう。これなら,大段ヶ平コースもMTBで下ることができそうですが,実際には登山者?山菜採りの人?が多いので,危険極まりないでしょう。ヒンシュクものです。やぱりwithMTBは,坂ノ谷コースがベストのようです。
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豊かな植生
しばらく登ると,神大ヒュッテ(@)です。ここには,中学生らしい集団が休憩中です。土曜日だというのに,野外活動に来ているのでしょうか。それにしても,無理やり氷ノ山に登らされる中学生諸君があわれです。言葉数の少ない中学生集団をあとに,先を急ぎます。しばらくすると,登山道には木道が設置されています。まわりには杉の大木が目立ち始めました。見ると,「古千本 千本杉の湿地植物」という表示があります。足元にはイワカガミ?が咲いています。タムシバは今季最後の花を咲かせています。右手にはハチ高原が見え始めてきます。
木道が終わると,頂上が間近です。ガレた登山道を登ります。遠くからはヘリコプターの爆音が盛んに聞こえてきます。氷ノ山付近は,米軍機の演習コースらしいのですが,まさかヘリコプターで演習をしているのでしょうか。ジェット機の演習だけでも迷惑なのに。そういえば,演習中の米軍機に手を振っている中学生がいました。情けないことに,先生らしき人まで手を振っていました。米軍機の演習が原因であれだけの被害が出ているというのに,その米軍機にうれしそうに手を振るなんて。ここまですると無知も犯罪です。
満員の山頂
故牧野富太郎博士命名の古生沼に寄ってみると,立入禁止の札の脇でランチタイムの登山者がいます。…?!頂上の避難小屋が見えるようになると,右手の斜面に雪が残っているところがあります。この時期に雪とは,なんだかうれしくなってしまいます。最後の上りを登りきると,山頂(A)です。が,この山頂にも中学生らしき集団が…。おまけに一般の登山者もたくさんいます。今日は,歩きでよかった,よかった。withMTBだと,どれだけ奇異の目で見られたことか。それにしても,ハエのような虫がいっぱい飛んでいるのには,まいります。ランチタイムは延期です。静かな三の丸でランチタイムにしましょう。
山頂から少し下った所で,休憩所の工事が始まっています。先ほどのヘリコプターは,これらの資材を運び上げるために飛んでいたようです。この休憩所には,トイレも完備されるそうです。どんな処理法のトイレなのでしょう。三の丸への道は,この工事現場を巻くようにつけられていますが,すぐに以前の登山道と合流しています。目の前には,三の丸とそれに続く小さなピークが見えています。いつもは,MTBで下る道ですが,今日はノコノコと下ります。しだいに,Bからの斜面一面に広がるブナの新緑が見え始めました。広い斜面一面に広がる新緑が,見事です。
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三の丸へ
いつもはMTBでアップダウンを楽しむ三の丸への尾根道ですが,今日は歩きです。でも歩きだと,スピードが遅いので,まわりがよく見えます。芽吹いたばかりの木々。つぼみをもった木。足元に咲く花にも目がいきます。例年,このコースでは最後まで雪の残っている湿地帯(B)にも,今年は雪がありません。
二の丸との鞍部はじめじめとして湿原で,こじんまりとした天然杉の森がある。風雪にたたかれるせいか,曲がりくねってあまり高く生育していないが相当な古木で,厳冬期にはずっしりと重い樹氷のコートを着て,だだっ広いこの空間に美しい点景を描く。 (『兵庫の山やま 総集編』多田繁次)
小さなピークに登るたびに氷ノ山が見えます。かすんでいるので,シルエットしか見えないの残念です。当たり前のことですが,氷ノ山が遠くに見えるようになるにつれて,三の丸が近づいてきます。そして三の丸。山頂からここまで,出会ったグループは三つ。山菜採りと登山の人があふれていた先ほどの大段ヶ平コースと大違いです。静かな山歩きを楽しむなら,やはりこのコースです。
三の丸の展望台(C)からは,奥播州,鳥取県の山々が見えるはずですが,この日はすっかりかすんでしまっているので,藤無山でさえシルエットがわずかに見えるだけです。あとから年配の4人組が到着。このあと,ランチタイムに少しお話をしましたが,先週,MTBで登っている人がいたとか。氷ノ山もMTBで登る人が増えてきたようです。あまり増えすぎて,関東の山のように「MTB禁止」なんてことにはなってほしくないものです。1ヶ月ほど前には,快適にスノボーで滑った三の丸の東斜面は,全面笹原です。
午後の零時40分,三の丸の頂上(1464m)に立った。ここは氷ノ山頂上に次ぐすばらしい展望台だ。氷ノ山主峯の南面の,優雅で壮大な山容が近く大きくまともに眺められるということだ。スズタケのうすみどりに輝く衣装をまとった頂上から,広くなめらかに,長く長く流れる東尾根の美しいスロープ。その魅惑的な姿はいつまでも見飽きない。さすがは私のこよなく愛慕する兵庫の王者,悠揚迫らざる大器の貫禄を誇らかに示している。 (前掲書)
殿下コースへ
三の丸休憩所でランチを終え,殿下コースへ。三の丸からは,笹原の中の道です。左右は笹で見えませんが,前方には奥播磨の山々のシルエットが望めます。いつもなら,ここはMTBで下るところですが,今日はのんびりです。それにしても,1ヶ月ほど前にはこの笹原が大雪原だったなんて,チョット信じられない感じです。雪があるだけで,こんなにも山って表情を変えるものなのですねぇ。
眼下に広がる展望を楽しみながら,殿下コースと坂ノ谷コースの分岐点(D)へ。「坂ノ谷登山口へ2.8KM 氷ノ山山頂へ3.4KM 殿下コース登山口へ0.8KM」おやまぁ,殿下コースってのは,短いのだ。しばらくは,背丈以上の笹にはさまれた道ですが,しだいにブナなどの木が増え,若葉の緑が鮮やかになってきます。坂ノ谷コースも,崎ほどの分岐からは,ブナの林になりますが,この殿下コースのブナも見事です。大木あり,老木あり,幼木あり。ブナ以外の木(名前がわかりません)も若葉が鮮やかです。
しばらくして,殿下コースの名所ともいえる「仙人門」に到着。いつ見ても,ミョ〜な木です。少し下ると,道は左にも分かれています。昨年の12月には,直進コースを登ってきたので,今日は左の道を下ることにします。少し急ですが,林道がすぐです。この両脇の笹ヤブからも,バキバキッ!という音がしています。
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林道歩きも楽し?
入口の杭(E)を抜け,林道へ。林道では,たくさんの車がとまっています。そして,山菜を袋いっぱいに採った人もたくさんいます。そんなにたくさん採って,どうするの?って感じです。「スズコづくし料理」をしたって,1ヶ月では食べきれないんじゃないの?ここから大段ヶ平まで,長〜い林道歩きです。これがいけません。車の通る道を歩くんですから,退屈です。前方に見える尾根を越え,そのまた向こうの尾根を越えなければなりません。嗚呼。
でも,歩き始めると,道の脇に咲く花の写真をとったり,深〜い谷をのぞきこんだり,山肌にできた谷に残る雪を触ったり,急斜面で山菜を採っている人に感心したりと,その珍しさに飽きることはありませんでした。横行渓谷からの道が合流する付近に「三ツ滝」の案内があります。林道から300mほど入った所にあるそうです。早速オジャマすることに。階段を登り,薄暗い杉林を抜けると,前方に新緑に囲まれた見事な滝(F)が出現します。左右にも滝があるのですが,中央の滝が一番見事です。氷ノ山の山中で滝を見るなんて,なぜか意外に思ってしまいます。この滝は,地図にはのっていません。しかも,登山コースからは外れているので,訪れる人が少ないようです。でも,チェックポイントです。
一部舗装になった林道を登り,大段ヶ平へ。結局,時間は所要ランチタイムを含めて3時間。散歩程度というには少し時間がかかってしまいましたが,あまり通ることのないルートを歩けて大満足です。今回のように,いくつかのルートを組み合わせてコースを設定できるというのも,氷ノ山の魅力です。しかも,新緑のこの時期,植林では見ることのできない鮮やかな緑を楽しむことができました。「紅葉狩り」ならぬ,「新緑狩り」「若葉狩り」でした。チャンチャン