感動!氷ノ山スノーハイク,が…(2000.4.2)


  
P・A〜I
P・A〜I

リベンジ!氷ノ山

3月に敗退した氷ノ山スノーハイクのリベンジバージョンです。やはり,今年は3月では歩きには時期が早過ぎたようです。ということで,例年通りの4月第一日曜日になりました。当日は,昼からは曇り空になるようですが,朝の間は晴れということで,青空と白銀の世界が期待できます。集合地点のながさわに着くと,K斐さんが先着していましたが,K来さんは今起きたばかりとのこと。さっそくK来さんは脱落です。が…。

氷ノ山若桜スキー場から初ルートで

今回のルートは,鳥取県側の氷ノ山若桜スキー場の最上部から三の丸,山頂へと登り,下りは,坂ノ谷コースでやまめ茶屋へ。ということは,やまめ茶屋へ車を1台デポしておく必要があります。ボクの車をデポ(P)し,今回初参加のK斐さんの車に荷物を積み替えて,氷ノ山若桜スキー場を目指します。

氷ノ山若桜スキー場は,20年以上も前に来たことはありますが,当時はローカルスキー場そのものといった感じで,春休みの平日なんかに行った時には,スキー客は我々10人だけで,リフト小屋に行ってリフトを動かしてもらったほどです。でも,現在では,立派なスキーセンターができ,舗装の駐車場があり,たくさんの人がスノボーやスキーを楽しんでいました。リフトだって,当時は2基だけでしたが,現在では5基に増え,ゲレンデも一面増設されています。積雪は多いので,関西では一番遅くまでスキー&スノボーを楽しめるんじゃあないでしょうか。

第3リフトも動かして!

その氷ノ山若桜スキー場で最後の?記念撮影をした後,260円を払って樹氷第2パノラマリフトに乗ります。長さは825mということですが,これだけの標高差を歩くとなると大変です。リフトに感謝です。でも,その上の樹氷第3リフトが動いていないのです。最大37度の急斜面で,雪がつきにくいので,運休しているのでしょう。長さは477mということですが,急斜面なのでかなりしんどそうです。

そんな心配をよそに,リフトは我々を上部に運び上げてくれます。リュックを背負っているので,リフトにはあまり深く座れません。バーでもあればいいのですが,これでリフトが急停止すると前方につんのめり,転落まちがいなしです。後のリフトでは,S田さんとA子さんが「こわい!」「落ちる!」とわめいています。後で聞くと,スキー場に来たのは初めてで,リフトに乗るのも当然初めてだったとか。なんとも,珍しいお二人です。

リフトから降りると,付近にいたスノーボーダーたちの奇異の視線を浴びながらスキー場最上部を目指します。かえすがえすも第3リフトの運休が悔やまれます。救いは,先発の「丹波のたぬきさん」たちの足跡があるということです。足跡すらなければ,ステップを切りながら登らなければならないので,疲れは倍増です。不幸中の幸いといったところでしょうか。

滑落注意!急斜面

一歩一歩気をつけながら,急斜面を登ります。斜面を登るというよりは,階段を登るといった感じです。でも,登るにつれて,展望はよくなってきました。目の前の陣鉢山の向こうにはアノ青が丸も見え始めました。しかし,だからといって,今までの疲れが吹き飛ぶことはありません。息はハアハア。汗ビッショリ。頭からは湯気が立ち,ゆでダコ状態です。

第3リフト終点まで来ると,あとは細い尾根を登るだけです。第3リフト沿いのチャレンジコースを見下ろすと,さすがに激下りです。ハチ北の北壁に匹敵するほどの急斜面です。これを滑る人がいるんだから,たいしたものです。

  
最後の記念撮影? 扇ノ山をバックに支尾根を歩く
最後の記念撮影?
扇ノ山をバックに支尾根を歩く

支尾根へ

目の前の尾根に取り付くと,斜面は急ですが,木立があるので,さっきほどの恐怖は感じません。先発の丹波たぬきさんたちの足跡を追いながら,登ります。どころどころで,ひざまで雪にはまってしまいましたが,トレースがあるので大助かりです。しかも,このコースを,我々4人は誰も知らないのですから。

三の丸からの主尾根は見えているのですが,なかなか近づきません。しだいに積雪も増え,ひざまで雪にはまることも増えてきました。雪の積もったやせた尾根を歩いている様子は,まるで冬のアルプスのようです。イイ感じです。周りの景色は,さらによくなり,青が丸を始め,扇の山,東山,大山,そして目指す氷ノ山山頂も見え始めました。見事なパノラマです。ここまで登ってきただけでも,価値はあります。しかし,だからといって,今までの疲れが吹き飛ぶということはありません。

主尾根へ

雪にはまりながら,一歩一歩登ります。そして,ついに主尾根(A)に。ブナ林に積もった雪が美しい。展望はさらに広がり,東から南に向けての山々が見えます。三角頭の三室山,大屋スキー場の向こうには藤無山も見えます。尾根に積もった雪が見せる,なだらかな曲面も美しい。一同,思わず歓声を上げる。「オオ〜ッ!」「ウワ〜ッ!」「トルルルルゥ,ヒャッホ〜ッ!乾布摩擦〜!」…?

テレマークスキーのK斐さんは,早速スキーをつけています。快適そうです。でも,歩きだって,まだ雪がしまっているので,楽勝です。これが,気温が上がるとひざまではまってしまうんでしょうね。歩きながらも,しだいに変わりゆく展望に感激です。三室山の向こうには,後山・那岐山・ダルガ峰の連続したピークが見えます。そのダルガ峰の中腹にはちくさ高原スキー場のコースも見えます。昨年登った大杉山・須留ヶ峰も見えています。イイねぇ。

三の丸で再会!

なだらかな尾根を少し歩くと二の丸展望所。さらに登ると,三の丸の櫓(B)です。三の丸避難小屋は,1階部分は雪に埋まっています。こんなことは初めてです。やはり,今年は積雪が多いのでしょう。三の丸からは,杉ヶ沢高原,妙見山,蘇武岳も見えます。尾根に上がってからは,大パノラマの連続です。イイね,イイねぇ。

と,「去年,会いましたね」と言う声が。見ると,ナント!昨年のこの日,つまり4月第一日曜日にこの三の丸でお会いした山スキー氏ではありませんか。1年ぶりの再会です。こんなことって,あるんですね。約束をしても,これほどまでにピッタリの時間に会えることはないでしょう。お互いに元気で山で会えるというのは,うれしいことです。

ソリ遊びも楽しい!

三の丸からは,アップダウンを繰り返しながら,山頂直下に出ます。早速,三の丸からのゆるやかな下りです。ボードのビンディングをつけたり,外したりするのもジャマくさいので,板の上に座って「スノーボート」です。でも,これがけっこうおもしろい!本物のスノーボート(ソリ)持参のS田さんは,こわがるA子さんを乗せて,滑らせています。静かな白銀の世界にA子さんの悲鳴と,我々の笑い声だけがこだましていました。それにしても,ソリで滑るのが生まれて初めとは,A子さんはかなりの天然記念物です。今までの何十年もの間,何をしとってん!って感じです。

歩きの我々は,忠実に稜線を歩きますが,先ほどの山スキー氏はピークを巻きながら等高線に沿って滑っています。うらやましい!でも,いくつかのピークの下りは「スノーボート」で滑り,気分爽快です。前からきた登山者に「楽しそうですね」なんて,言われちゃいました。雪遊びをしながら進んでいるボクの目の前を,片ひざを曲げた華麗なテレマークターンを決めながら木立の間を滑り降りてくる2人組を発見。かっこイイ〜!まるで,マイルドセブンの世界です。

最後のピークに着くと,目の前には山頂直下の大斜面が広がっています。もうひとふんばりです。振り返ると,三の丸からの稜線がなだらかな曲面を作り出しています。その向こうには,但馬,西播の山々が連なっています。もちろん,大山もはるか遠くに見えます。春霞のせいで見通しが悪く,石川県の白山が見えないのが残念です。空だって,白っぽい色です。

氷ノ山山頂

山頂直下の大斜面で一汗かくと,氷ノ山山頂(C)です。スキー場を出てから2時間半。昨年,坂ノ谷林道から登った時は4時間ほどかかったので,今回のコースはずいぶん時間短縮になったわけです。手抜き登山です。でも,今回はA子さんも同行しているので,このコースの方がいいでしょう。山頂からは,北の展望も開けています。すぐ下には,鉢伏山。仏ノ尾も見えます。小屋の北斜面は,スノボーで滑るのにいいようです。昼食後は,ここを滑ってみましょう。

サイボーク登場!

山頂小屋では,先着の丹波のたぬきさんたちの歓迎を受け,早速昼食の用意です。ところが,寒冷地仕様ではないミニガスボンベでは火力が弱い。外に出てS田さんたちを待ちますが,まだやってきそうにありません。仕方がないので,ボンベを暖めようとしていると,ナント!やって来たのがK来さんではありませんか。我々が山崎にいたときには起きたばかりだったのに,S田さんたちを追い抜いて山頂に先着したというわけです。聞くところによると,やまめ茶屋から山頂まで2時間半でやって来たとか。無雪期のMTB登山だってこんなに速くは登れません。さすが,サイボーグK来さんです。ちなみに,K来さんが汗をかいているところを,ボクはこのとき初めて見ました。ふだん我々と同行している時には,汗をかくほどのこともないからです。

K来さんからガスボンベを借り,無事お湯を沸かし,温かいうどんを食し,最後には定番のコーヒーもいただき,ランチタイムの終了です。A子さんの差し入れもあったりして,もう満腹です。動けません。でも,北斜面を滑ってみたいので,スノボーの準備です。スキーのシュプールが1本あるだけで,まっさらの雪面です。圧雪していないので,ボードは滑りにくいですが,それでも鉢伏山を見下ろしながらの滑走は気分爽快です。

短いながらも,快適な滑走を終えると,今度はK来さんがスノボーをやってみたいとのこと。XCスキー用の靴でスノボーというのはチョット無理っぽいですが,そこはサイボーグK来さんのこと。ヘッチャラです。早速ころげまわって,スノボーで遊んでいます。

  
鉢伏山を見下ろしながら 山頂にて
鉢伏山を見下ろしながら
山頂にて

いよいよ下りだ!

氷ノ山越えから氷ノ山若桜スキー場に帰る丹波のたぬきさんたち一行に別れをつげたあと,記念撮影をして,いよいよ大斜面(D)の滑走です。それほど距離はないのでロングターンで少しづつ下りていきます。それでも,まもなく尾根と同じ標高になりました。山スキー氏は滑走距離を稼ぐために谷の下の方まで下っています。歩きだと,そんなに下まで下ると登るのが大変ですが,山スキーでトラバースしながら登っていくのはそれほど大変でもないのでしょうか。

一つ目のピークを巻くように歩きますが,柔らかくなった雪ではひざまでもぐります。歩きにくいこと,この上なしです。ズボッ,ズボッ。雪面を滑るように歩ける山スキーがうらやましい!2つ目のピークからは,スノーボートで下ります。が,その下りもほどなく終了。再び,つぼ足でズボッ,ズボッと歩きます。三の丸手前のピークから東に派生しているなだらかな尾根(E)も滑ってみたいところですが,今日は時間がないのでパス。

  
自然の造形美 三の丸方面を望む
自然の造形美
三の丸方面を望む

三の丸に着くと,S田さんとA子さんがずいぶん遅れています。「先に行って,車を取って来て」と言うS田さんの言葉に,それもそうだなと納得。やまめ茶屋から氷ノ山若桜スキー場へ車を取りに行くには,1時間ほどかかりそうだからです。先に行くことを告げ,三の丸の大斜面(F)を滑ります。

バックカントリーでは,やはりスキーかな?

K斐さんはテレマークスキー,K来さんはCXスキー,そしてボクはスノーボード。三者三様の滑走です。が,緩斜面なのでほぼ直滑降状態です。でも,広大な斜面を気ままに滑れるのは,バックカントリーの特権です。展望もよく,さらに気分爽快です。しかし,これからが要注意です。氷ノ山の登りは迷いませんが,下りは尾根がいくつも派生しているので迷いやすいです。しかも,それぞれの尾根がなだらかなので,いつの間にか違う尾根に出てしまっているということもあるのです。

ブナの木立を抜け,しだいにボードでは滑りにくくなってきました。仕方がないので,スノーボート状態で滑走です。その点,スキーはいいよね。スケーティングができるもんね。スノボーのスケーティングって,スキーのようにはいきません。上手な人はうまくできるのでしょうが。

冬ルートがお薦め

スノーボートをしたり,つぼ足で歩いたりで,波賀町の設置したツアー用のu\示板をたどります。bT2まで来たところ(G)で,どうも植生がヘンです。植林帯の出現が早すぎるのです。坂ノ谷コースだと,まだまだブナ林が続いているはずです。この点については,後続のS田さんもヘンに思ったそうです。しかし,いくつものトレースが続いている上,ブナ林の方へはトレースがありません。K来さんによると,このトレースが冬ルートだということです。斜度もそれほどではなく,林道にも比較的早く出ることができるということで,冬ルートを下ることに決定。

植林帯を抜けると,意外にも早く林道(H)に出ました。なるほど,冬ルートというだけあって,トレースがたくさんあります。このルートだと,坂ノ谷ルートよりは時間短縮できそうです。林道を下って坂ノ谷ルートの分岐(I)に来ると,坂ノ谷ルートをたどるトレースはわずかです。やはり,現在では,先ほど下ってきた冬ルートが定番ルートになっているようです。

しかし,この林道も曲者です。先ほどの木立同様,斜度がないのでスノーボードが滑りません。スキーは快適にスケーティングで下っています。ボクは,スノーボート状態で,手で雪を掻きながら下ります。えらい違いやでェ。情けない〜!

次回は氷ノ山若桜スキー場のピストンかな?

ようやくやまめ茶屋着。山頂から3時間かかりました。K斐さんとK来さんは,先着し,氷ノ山若桜スキー場に車を取りに行っています。後続のS田さんとA子さんを待ちます。が,三の丸での様子からは,1時間以上は遅れそうです。やはり,坂ノ谷コースは距離が長すぎるのでしょうか。下りでも3時間かかるのですから。これが,氷ノ山若桜スキー場へ下るとすると,登りで2時間半ですから,いくらユックリ下ったとしても2時間はかからないでしょう。これは,次回への検討課題です。

そんなことを考えながら,S田さんたちを待っていましたが,まだまだ帰ってきません。着替えていると,丹波のたぬきさんたちがやって来ました。S田さんたちがまだ帰ってきていないということを告げると,無線で連絡をとってくれました。あと30分ほどだということです。ということは,林道には出ているようです。一安心です。

凄すぎるO柿さんの記録

丹波のたぬきさんたちと本日2度目の別れを告げ,S田さんたちの帰りを待ちます。時間があるので,O柿さんの「カヤマチ山縦走」の記録を読むことにしました。あきれるほど克明な記録です。S田さんがパンクの修理をしている間に,ボクがおにぎりを食べていたことも記録されています。しかも,そのおにぎりが「たこ飯おにぎり」だったことも。もうこれは,単なる記録というものではなく,「紙上ビデオ」です。S田さんは,O柿さんの今までの一連の記録を埋もれさせてしまってはもったいないということで,HPでupするようです。織田さんの記録といい,最近は人の記録がHPを飾ることが多い「山であそぼっ」です。でも,S田さんのこの試みに期待大です。

無事,全員下山

とかなんとか思っている間も時間は過ぎていきます。あれから30分どころか1時間がとっくに過ぎています。日は暮れ,あたりは薄暗くなってきました。「遭難」という文字がチラチラしてきました。これはヤバイことになったかも,と思っていると,迎えに行っていたK来さんが帰ってきました。A子さんが腰痛のために歩くことができなくなり,ソリに乗せて下っていたため,林道を下りるのに時間がかかったそうです。これではまるで遭難者の救助と同じです。時間がかかったはずです。

全員がそろったのが,19時前。あたりはすっかり暗くなっていました。でも,無事帰ってこれてヨカッタ,ヨカッタ。やはり氷ノ山をなめてはいけません。雪山もなめてはいけません。これが本日の教訓です。でも,学習能力のない我々のこと,きっと忘れて次回もなめきって,遊びまくることでしょう。


やっぱり山は氷ノ山だぁー!!

4月某日(晴れ)by A子

「今日は海へ行くぞ!」

白いパジェロに若い男の子をぎっしりと乗せた先生が早朝私を迎えに来た。 加古川大堰の横を通り過ぎ、めいっぱいアクセルを踏んでパジェロは南下する。 こ、こわい! いつ土手にゴロンとひっくり返っても不思議でないくらい今日はえらい急いでいる。 先生を信じるしかないのだ。

いきなり釣具屋に飛び込んで洗面器いっぱいのミミズを買ってきた。次は県病へ急ぐのだという。どういう訳か注射器をわしづかみにして戻ってくる先生。いったいどういうつもりなのか。

「今日は波が荒いから岩にぶつからないとも限らない。」「万が一、身がえぐれるような傷ついたときは病院などに行っておられないから私がミミズを移植する。今すぐ自分で採血して血液型を確認しておけ」と言う。「人数分の注射器が足りない」と訴える。 先生は「使い回せ」と一言。「それではよくない病気に感染する」と食いつくが、相手にされない。

突然のあまりの命令に動揺する。 となりの男の子にそっと採血を頼むといきなり脇にプスリと針を刺された。 痛こそばくて身がよじれる。

そうこうしているうちに海に到着。思ったほど波はないし、とても澄んでいてきれいだ。 旅客船が浮かんでいる。今日はあそこまで泳いでいって昼飯を食って帰ってくると言うのだ。

え、えい。思い切って飛び込む。さほど水温は低くない。岩も見えない。 息は苦しくないが思うように前へ進まない。ずんずんみんなが遠ざかって行く。 背中に背負ったおにぎりやエビフライがバラバラにちらばって魚の餌になっていく。 先生なんかボードに乗っかって手で漕いでもう姿が見えない。「ウワァ〜ン」という所で目が覚めた。

氷ノ山の登山は私にこんな夢を見させるほどきつかった。


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